てくてくマッチョ ー30代ゲイの日々ー

30代ゲイが未来に向かって、てくてく歩く日々を綴ります。

誰も壁も無く続く道

僕は十代、二十代の頃は頑なまでに突っ張った青年で

した。当時は誰のことも信用できず、いつも眉間にシ

ワを寄せていたようで、よくバイト先のオバチャンに

「どうしていつも深刻そうな顔をしているの?」と聞

かれてました(笑) 当時は様々な感情の渦の中にいた

せいか、自分で自分のことを全く分かっていません でした。普通、十代の後半にもなれば、みんなそこそ

こ世渡りをするものだと思うのですが、当時の自分に

は憐れなほどにそれが出来ませんでした。特に押さえ

付けて来ようとする目上の人間を敵視していたように

思います。バイト先の社員とか無視したり喧嘩してい

ました……どんなバイトだよって言うね(笑) 
別にパンクな反抗を気取っていたわけではなく、正直

病んでいたと思います。当時は色んなチャンスが目の

前にあったのに、わざと知らんぷりをしていました。

「チャンスにかけるしかない」という現実が、何故か

上から押し付けられたものに感じていたのです。「そ

んなものに振り回されなくても、いつでも人間は幸せ

に生きられる」と頑固に考えていました。とにかく常

に怒りの感情に取り憑かれていました。

僕は今年で33歳になるのですが、結局、何一つ誇れる

経歴、学歴、資格がありません。ただの派遣です。メ

ソメソ泣き言ばかり言う人間にはなりたくないのでコ

ツコツと色んな勉強や努力をしたりしていますが、や

っぱり人生のレースからは取り残された存在だなって

思います。もちろん勝ち負けが全てとは思いません

が、勝ち負けを楽しんでもいいと思うんです。勝って

も負けても感動があるわけですし。でも、もう二度と

同世代のランナー達と同じ土俵には乗れません。マラ

ソンのランナー達が応援の声を浴びながら勇ましく道

路を走っているのに、そこから外れた街角を僕だけが

走っている感じです。いつか、どんな形でもいいから

「決戦」の舞台に立ってみたいです。それを一縷の望

みとして今日もてくてく仕事をこなし、てくてく帰っ

て来ました。